立ち直れないほどの失敗も、他人から見れば「単なる大変な経験」でしかなかった。それでもすべての失敗を糧にする気持ちがあれば、ブレない強さを持つことができる。
サンドイッチやハンバーガー、アップルパイ専門店を運営。現在ではコンビニや大手銘菓とのコラボ商品を仕掛け、メディアからも大きな注目を集めるFUNGO。「Going to be fun!(楽しく行こう!)」を理念に飲食ビジネスをひた走る株式会社ファンゴーを牽引する関俊一郎代表に、知られざるドンゾコ体験を語っていただいた。
知り合いからの詐欺被害で絶望を経験
─1店舗目から繁盛店を実現した関さんですが、大きな失敗した経験などはあるんでしょうか
失敗どころか、詐欺にも数え切れないほど遭ってます。そのたびに心が折れそうになるし、眠れない夜を過ごしたこともありますよ。また、ひどかったときは体重も激減してしまって、本当にしんどかったです。国内でもかなり騙されたし、海外では常軌を逸するレベルの詐欺にも遭遇しました。
─知り合いからの詐欺被害も経験されたそうですが
あれは相当ひどかったです。数千万円の被害でしたし、お店は撤退するしかありませんでした。ただ、まったくお金がなかったので、一人で夜中に荷物をまとめるわけですよ。すると遠くで物音がして、警備員かと思ったら元スタッフが「手伝いにきました」と。あれは忘れられないほど嬉しかったですね。
─これはもう失敗というより事件だと思います
私もそう思い、恐喝の録音や証拠をファイルしていのですが、民事扱いということで絶望でしたね。ただ、私にとっては絶望でも、周りからは「今回はひどい目にあったな」で終わってしまった。別に同情してくれという意味ではなく、すべては他人事なんだという現実を思い知らされた経験でした。そのおかげで、今となってはすべての失敗を「価値のある勉強」だったと思えます。
すべての失敗を通過点にすることで正解にしてきた
─その後に出会う人も含め、人間不信にはならなかったのでしょうか
知っておいて損はないと思うのは、「みんな自分が可愛い」ということ。これは自分さえ良ければいいという意味ではなく(中にはそんな人もいるかもしれないが)、生存本能として当然だと思うんですよ。自分の安全が担保されていないのに、他人を思いやれる人なんて絶対数としても多いはずがありません。ただ、だからといって絶望するのではなく、すべての失敗を諦めずに乗り越えて糧にしようということです。これはビジネスだけでなく、人生においても大切な価値観だと思います。
「手を差し伸べてくれる仲間は大切。ただ、たった一人でも乗り越える精神はさらに重要」
─最後に、これまでの失敗から学んだことがあればお聞かせください
メンタルが強くなると同時に、ちょっとしたことでは心の芯がブレなくなりました。打たれるほど強くなるというか、なぜか乗り越える度に障害が立ちはだかってきて。さらになんとか乗り越えても、また予想もしないトラブルに遭遇する。それでも諦めずに乗り越えていたら、それなりに強くなっていたという感じです。ですから、どのような失敗でも結果とせずプロセスにすることが重要だと思います。
失敗は乗り越えてもまた訪れるのだから、すべてを諦めずに通過点にすればいいと関社長は話す。これから訪れる失敗も、同じように乗り越えると話した笑顔には経験値が裏付けされた「ブレない強さ」が表れていた。
社名 | 株式会社ファンゴー |
住所 | 東京都世田谷区三軒茶屋1-18-11 1F |
代表 | 関 俊一郎 |
設立 | 1995年12月 |
HP | https://www.fungo.com/m_top.html |