株式会社Parasol|伊藤 早紀

何回も失敗したし、ギリギリの場面もあったはず。そこでやめれば失敗かもしれないが、止まることなく走り続けた。結果、やり切る力が成功に繋がったと思う。

伊藤 早紀(いとうさき):愛知県出身。名古屋市立大学経済学部を卒業。2017年、株式会社Parasolの創業メンバーとして参画。マッチングメディア「マッチアップ」の編集長、および未婚男女のマーケティング機関「恋愛婚活ラボ」の所長を兼任。2022年、同社代表取締役社長に就任。現在は婚活サービス「ヒトオシ」を中心に活動する伊藤社長に、これまでの苦労話をお聞きしました。

失敗に立ち止まらないスピード感を重視した

─これまでの経営で記憶に残るような失敗はありましたか

よくわかりません(笑)。私自身がそもそも失敗したと思わない性格なんですね。改めて振り返れば、「こうすべきだった」「ここは間違えた」と浮かびはします。プランナーさんを例にあげても、顧客との接し方で思うところはありました。その辺は人それぞれのやり方もあるし、厳しすぎる指摘を受け入れられない人もいますよね。結果的に、プランナーさんに任せたと思う反面、放置とも取れる点については改めるべきだと気づきました。ただ、失敗を気にして立ち止まっていたら、あのスピード感は無かったとも思うんです。

─当時はどう対処されたのでしょうか

もともと私は近すぎる関係が苦手で、煩わしさのコストを払うくらいなら関わらないタイプです。ただ、多くの人と関わっているうちに、話せば変わることもあると実感できた。しかも、私が経営者である以上、必要なら変わるように向き合わなければいけないですし。以来、相手を信じてきちんと対峙するようにしています。

振り返れば失敗でも、その時点では最善だった

─では、具体的な失敗と呼べるエピソードはなかったということでしょうか

立ち上げ当初は集客できておらず、2年ほどマーケティングにコミットしていました。集客面の未熟さはありましたし、いま思えば改善すべき点は浮かびますが、これを失敗と呼ぶのも違う気もします。あらゆる点で、その都度やったことが私の最善だったし、その結果が現在のヒトオシだと思うんです。

「失敗は、立ち止まって見つめた時だけ可視化されるもの。私は性格的に止まらないので、結果的にはそれが良かったのかもしれません」

─若くしてParasolの代表取締役に就任された時も、失敗への不安などはなかったですか

まったく無かったです。良くも悪くも、基本的な思考がポジティブなんだと思います(笑)。見方によっては良くないのかもしれませんが、だからこそ止まらず突き進めたとも言えますよね。実は、ヒトオシの収益化が見えず、一度クローズする話が出たことがありました。その時も、私だけが「大丈夫だと思います」って楽観的でしたし(笑)。

苦労や課題は永遠にセットだと思っている

─では、失敗とは言わないまでも、記憶に残るような苦労や困難はいかがでしょう

それはたくさんあります。例えば、ヒトオシのスタート時はオペレーションも何もなく、それを構築する作業が大変でした。実質2名だけで始めたので、お互いの負担はかなりあったと思います。その後は人の確保にも苦労し、集まったら集まったで仕組み化をしなければいけない。どの状態でもサービスの質は落とせないので、永遠に大変といえば大変ですね。

─資金面の課題や不安はどうでしょうか

まったく無かったわけではないですが、当初は早く黒字化したいと思ってました。ビジネスである以上、赤字が続けばクローズも避けられないですから。ただ、多少は赤でも続けないと結果が出ないサービスだし、スケールのためには前倒しでプランナーも増員しなければいけない。現在は黒字ですが、あらゆる面でバランスだけは考えていました。

失敗は成功にたどり着くプロセスにすぎない

─では、挑戦に失敗した人や、いま悩んでいる人へ伊藤流のアドバイスがあればお願いします

よく耳にする表現にはなりますが、やり続ければ失敗も成功に変わると思っています。実際に私もたくさん失敗したはずですが、その行動があってこそ進化したとも言えます。大切なのは、致命的でない限りは止まらないこと。やりたいことがあるなら挑戦すべきだし、失敗しても続ければ良いと思います。Parasolの最初のプロダクトである男性のためのデートコースメディアForkyは、マネタイズまでいかずにサービス停止となっていますが、見方によれば失敗なのかもしれませんが、ただ、、それが現在の「ヒトオシ」に繋がったので、失敗はプロセスの一部にすぎないと思ってます。

「法に触れる、あるいは人に多大な迷惑を掛けるのはダメですが、多少のことは気にせず続けたほうが良いと思います」

─失敗を性格的に気にしない。ただ、「失敗を気にして止まっていたら、このスピード感ではたどり着けなかった」という伊藤社長の意見は、すべての経営者が参考になる意見ではないだろうか。失敗は立ち止まるからこそ可視化されるだけという言葉にも重みを感じられた。

社名株式会社 Parasol /Parasol Inc.
住所東京都港区芝公園4-6-8 bijin-BLDG. 3F
代表伊藤 早紀
設立2017年1月23日
HPhttps://match-app.jp/company/
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