株式会社CUORE JAPAN｜金栄澤

2023年10月31日2023年11月21日

各界のアスリートやアニメ・ワンピース、LDHとのコラボなど、世界の架け橋を信念に活動するMADE IN WORLD＆CO 。様々なプロジェクトを成功に導いている、株式会社CUORE JAPAN CEOの金栄澤（キムヨンテ）氏に、挑戦の中で遭遇したドンゾコ・エピソードを聞いた。

稼ぐ＝起業という選択肢しかなかった

─なぜ会社を立ち上げようと思ったのでしょうか

私が高校2年生のとき、父の他界がひとつの転機になりました。当時は姉が大学生で、妹が高校受験を控えたタイミング。私はサッカーに本気で打ち込んでいたのですが「自分が家族を守らなくてはいけない」と感じたのです。高校を卒業後に就職したものの、「稼ぐためには起業したほうがいい」という思いが強くなり、数年後に自らビジネスを始めました。

─当初からアパレルで起業しようと決めていた？

初めは知人から居抜き物件を紹介いただいて、銀座にBARをオープンさせました。とにかく「家族を守る＝起業」というイメージだけで、職種へのこだわりはまったくなかったです。ただ、初めての事業とはいえ、経営は順調に推移していきました。お酒も好きでしたし、人との交流が性に合っていたのかもしれません。

ところが4年ほど経った頃から、「本当はなにをしたいんだ？」と考えることが多くなってきたのです。おそらく家族を守るという目的が一段落し、やっと自分の人生に向き合えたのかなと。そこで、もともと大好きだったファッションの世界に挑戦することにしました。

売れているのに利益が出ないという失敗

─現在ではファッション業界だけでなく、様々なサービスを展開されています。その中でも記憶に残るような失敗があればお聞かせください

以前、ハワイのパンケーキ屋を日本に上陸させた事業で失敗したことがあります。当時はパンケーキのブームでしたし、新たなカテゴリーに挑戦しようと思ったんですね。結果、数百坪の店内にも関わらず、数時間待ちの行列ができるほどの大盛況でした。

─どの点が失敗なのでしょうか

運営面が完全に失敗でした。パンケーキの客単価が2,000円ほどで、月額の家賃は坪数の関係上150万円だったのです。今でこそ当たり前の話なのですが、この事業を稼動するには明確なオペレーションが必要になります。ところが、勢いだけで走ってしまったので、どう採算ラインに乗せたら良いのかわかりませんでした（笑）。

「ビジネスは圧倒的に事前の計画が重要という学びを大失敗から得た」と語る金CEO

─結果的には大失敗だったと

店頭は常に行列で、売り上げが出続けているにも関わらず、オペレーションがめちゃくちゃで利益が出ない。さらに、家賃だけでなく給料を払わなきゃいけないし、支出があまりにも大きすぎました。当初の契約期間はやり切りましたが、結果的には大失敗ですね。

失敗から得た踏み出すことの大切さ

─パンケーキ店の挑戦と失敗から学んだことはありましたか

当たり前のことですが、まずは冷静に考えてから行動するようになりました。ただ、失敗はしたものの、学びの多かった挑戦と言えます。実は、この事業は大手企業を含めた6社から勝ち抜いた契約でした。ただ、当時の弊社は名も無い会社ですから、普通に戦っても計画書の時点で弾かれてしまいます。それなら、自らの言葉でも伝えなければと思い、どの企業よりも早く現地ハワイへ飛びました。

─圧倒的な行動力ですね

ハワイのオーナーに直接お会いして、自分の思いを伝えながらプレゼンしました。その結果、私の本気度に共感していただき「ぜひあなたにお願いしたい」という結果を勝ち取れたのです。ビジネスとしては結果を出せませんでしたが、「行動すれば叶えられないことはない」ということを確信しました。

大切なのは失敗しないことではない

─失敗が怖くて行動できないという人に伝えたいことがあればお願いします

どんどん失敗しろと言いたいですね。大切なことは結果よりも挑戦すること。私はたくさん失敗してきましたし、これからも失敗すると思います。それでも失敗から学ぶことは多いですし、仮に失敗しても取り戻せば良いだけです。ビジネスも人生も、大切なのは失敗を避けることではなく行動すること。まずは小さな規模からでも挑戦を始めてほしいです。